焙煎する前のコーヒー豆は「生豆」と呼ばれます。

この段階ではミルで挽いて抽出しても大豆を煮出したような薄くて青臭い味しかしません。
熱を加えて化学反応を起こすことでいわゆるコーヒーらしい香りと味わいが生まれます。
この熱を加える操作を「焙煎」と呼びます。
焙煎=お肉でいう火入れ

ステーキを焼くことをイメージしてもらうと良いと思います。
火を入れる時間や熱の加え方によってステーキだとレア、ミディアム、ウェルダンと焼き具合の度合いが変わりますよね?
コーヒー豆も同じく火の入れ方で味わいが変化し、度合いによって特徴が異なります。
浅煎りか深煎りか=レアかウェルダンか

コーヒー豆の浅煎りはいわばステーキのレアに当てはまります。
素材の味を活かす火入れなのでステーキだと良いお肉が使われるようにコーヒーでも良い豆が使用されることが多いです。
味わいは「酸味」が主体ですね。
深煎りはウェルダンです。

こんがりと焼くことで香ばしさや独特の風味が生れます。こちらは素材に火入れで風味付けをするイメージ。
味わいは「苦味」が主体となります。
どちらが美味しいかは決まっていません。
「酸味」と「苦味」のどちらが好きかで選ぶと良いですね。
焼き具合は細かい

焙煎度は8段階で分けられます。
| 焙煎度 | 日本語 | 味わい | 
| ライトロースト | 浅煎り | 美味しくない | 
| シナモンロースト | 浅煎り | すごく酸っぱい | 
| ミディアムロースト | 浅煎り | 酸味:目立つ 苦味:穏やか  | 
| ハイロースト | 中煎り | 酸味:穏やか 苦味:穏やか  | 
| シティロースト | 中煎り | 酸味:穏やか 苦味:目立つ  | 
| フルシティロースト | 深煎り | 苦い | 
| フレンチロースト | 深煎り | すごく苦い | 
| イタリアンロースト | 深煎り | すごく苦い | 
お店で提供されるのはミディアムロースト、ハイロースト、シティローストが多いです。
ただ実際には「コーヒーショップでフレンチローストください」「シナモンローストありますか?」みたいなケースはあんまりないです。
浅煎り、中煎り、深煎りだけ覚えておけば大丈夫。
【マニアック】豆に火が入っていく過程

ここからは少しマニアックな内容です。
生豆から焙煎豆への変化について
最初はうす緑色だった生豆は熱が加わって行くと黄色に変わります。
この段階はドライフェーズと呼ばれ、豆に含まれている水分が熱で蒸発しています。
次第に豆の内部には二酸化炭素と水蒸気が発生して圧力が上がっていきます。
やがて内部の圧力に耐えきれなくなって豆の細胞が壊れ、パチパチとはじける音がします。
これを「1ハゼ(First Crack)」とし、1ハゼが終わるぐらいで焙煎を終了したものが浅煎りと呼ばれます。
1ハゼが終わると音はしなくなりますが、二酸化炭素は発生し続けています。
再びパチパチと音がなり始め、これを2ハゼと呼びます。
2ハゼが始まる前に焙煎を終了したものを「中煎り」
2ハゼが終わる前後で焙煎を終了したものを「深煎り」と呼びます。
ただし、全てのコーヒーショップがこの定義に従っているわけではなく、独自のルールで焙煎度を設定していることもあります。
【マニアック】焙煎機が変われば味わいも変わる

この理由は焙煎機によって
・熱源 ・主要な伝熱
が異なるためです。
中にはどのメーカーの焙煎機で焼いたのか味わいから特定できる人もいますね。
コーヒーショップに勤めていた時は、自分の店を同じ焙煎機を使用しているお店を探して飲み比べをしたりしてました。
焙煎機ごとの特徴は長くなってしまうので後日まとめてみようと思います。
まとめ

焙煎度はコーヒーの味わいを決める大きな要因の一つです。
焙煎が浅いほど「酸っぱく」、深くなるほど「苦く」なる傾向があります。
好きな原産国を見つけたら、次は焙煎度で飲み比べてみると楽しいので試してみてください。

  
  
  
  

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