検索しても自分の知りたい情報がなかったので書きました。
長いです。
最後まで読んでくれたら嬉しいです。
黎明期 1987〜2003年 スペシャルティコーヒーという考え方
1987年に今のSCAJの前身となる「全日本グルメコーヒー協会」が発足。
1999年に日本スペシャリティーコーヒー協会」に名称変更。
スペシャルティ(specialty) スペシャリティ(speciality) これ私もどっちが正しいのかわからなかったのですが、結論どちらも意味は同じです。 スペシャルティがアメリカ英語 スペシャリティがイギリス英語 日本では最初イギリス英語でしたがアメリカ英語に変更されて今に至るようですね。
そして2003年、国内外に向けより開かれた協会として、「日本スペシャルティコーヒー協会」になったそうです。
そう考えると2023年で20周年で長いようで短い気がします。
この期間にオープンしたお店 ・1990年 堀口珈琲(東京・世田谷) ・1991年 丸山珈琲※(長野) ※東京のお店ではありませんが数多くの有名バリスタを輩出したり、生豆の買い付け販売などで日本のコーヒー業界に与えた影響が大きいため記載しています。
どちらもカフェ営業をしながらも生豆の販売を行なっています。生豆の販売は簡単なことではないので、商社でもないのに行なっているのはすごい。
スペシャルティという考え方自体はわりと前から日本にあったことに驚きました。
当時の状況はわかりませんが、1996年にスターバックスが日本に進出したことからラテなどのエスプレッソベースドリンクが流行っていたようです。
おそらく深煎りよりでコク、キレのような表現をされるコーヒーが広まっていたのかもしれませんね。
成長期 2004〜2010年
2004年ごろから今のスペシャルティコーヒーのベースとなる枠組みがどんどん広まることになります。
2004年にスペシャルティコーヒーの定義が発表され、カッピングフォームが作成されました。
定義を知りたい方はこちらからどうそ↓
カッピングフォームは甘さ、香りなどの項目で点数付けを行なってコーヒーの評価に使用される指標です。
数名の審査員から特定の点数以上をつけられたコーヒーが「スペシャルティ」グレードとして販売することができます。
このフォームがなければ何を持ってスペシャルティと判断して良いかわからなくなるので非常に大事なものです。
それまではブルーマウンテンやコナのように有名な地域だから良いものだという風潮だったと一方で、こちらは味にフォーカスする基準であることがわかります。
この期間にオープンしたお店 ・2006年 Paul Bassett(東京・新宿) ・2008年 CAFÉ FAÇON(東京・中目黒) ・2009年 Bear Pond Espresso (東京・下北沢) Obscure coffee roasters (東京・三軒茶屋)
名店しかない・・・
それぞれ長文で1つの記事を書けるほどすごいのですが、中でもPaul Bassettが日本にできたことはかなり大きな影響を与えたのではないでしょうか?
Paul Bassettは2003年のWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)と呼ばれるコーヒーの世界大会で優勝したオーストラリア人です。
ここに勤めていた人たちが後にglitch, fuglen, onibusを始めとする多くのコーヒーショップをオープンしています。
今ほど情報を簡単に手に入れることができなかったはず。
そんな中、最新の技術や知識を持ったバリスタがお店を開けたと聞けば、コーヒーに興味がある人が集まるのは当然ですね。
このお店がなければ今の東京のコーヒーショップは全く違う顔ぶれになっていたでしょう。
東京にオープンしてくれてありがとう。
変革期 2011年〜2018年
Paul Bassettを始めとする海外のコーヒーが日本に入ってきて、それを学んだ人たちが自分のお店をオープンし始めました。
それをきっかけにおそらくスペシャルティコーヒーという言葉が広まり始めた時期だと思います。(とは言っても一部のコーヒー好きにですが)
それまでブラジル産、エチオピア産という国でしか表現されていなかったコーヒーがナチュラル製法、ウォッシュト製法のように作り方まで伝えるようになったのもこの時期ではないでしょうか?
この期間にオープンしたお店 ・2012年 ONIBUS COFFEE(東京・奥沢) FUGLEN (東京・渋谷) ・2015年 GLITCH COFFEE&ROASTERS (東京・神保町)
実際はもっとたくさんあるのですが今回は
東京のスペシャルティコーヒーなので・・・
それぞれ雰囲気や出しているコーヒーの特徴がはっきり分かれているところが魅力です。
成熟期 2019年〜
この時期になると東京でスペシャルティコーヒーを扱うお店が珍しく無くなっています。
ネットが発達して新しい技術や知識が誰でも手に入れやすくなって、海外との差がほとんどありません。(とはいえ大体の情報が英語なので日本人にとっては誰でもではないですね)
コーヒーに関しては精製方法が進化。
・アナエロビックファーメンテーション ・インフューズド
この2種が登場したことで、例えばブラジルといったらこういう味、という固定観念が破壊されました。
アナエロビックはワインの製法を真似たもので空気と触れない発酵をさせてもの。
詳細は以下の動画からどうぞ。
面白すぎる・・・
インフューズドは文字通りフルーツのジュースにコーヒーの生豆を「漬け込む」ことで味をコーヒーに移しています。
従来のナチュラル、ウォッシュトが豆の味を引き出すイメージですが、これら新しい製法は味をつけるイメージですね。
(風味が強烈なものが多く個人的にあまり好きではないです)
この時期にオープンしたお店 ・2022年 Raw Sugar Roast (東京・経堂)
他にもオープンしたお店はたくさんありますがお店作りだったり、店舗展開の早さなどがすごい。
これから
今後のコーヒーのはどうなるのでしょうか?
一つわかっていることはコーヒー豆の品種が変化していくことですね。
これはWCR(ワールドコーヒーリサーチ)と呼ばれるコーヒーの研究機関が提案し、実際にお店に並ぶコーヒーもそうなっています。
気候変動や病害虫に対して安定して高品質のコーヒー豆を作り続けることを目的として取り組まれています。
これに関連しているのかは不確かですがコーヒーの栽培に関して進んでいる印象のある中南米ではアフリカの品種をよく見かけますね。
コスタリカ産のケニア、エチオピア品種と行った感じで、ぱっと見て混乱しそうになります。
左側が原産国コスタリカ、品種はエチオピア原生種。
右側はエチオピア品種とコスタリカ品種の掛け合わせ品種。
風味がまったく異なって面白い。
これまで自分が○○っぽい味だと思っていたのは実は品種だったのかと思わせられましたね。
これからブラジル(ケニア品種)のようなコーヒーが増えてくるのか。
浅煎りに飽きて深煎りが流行るのか。
楽しみながら東京のコーヒーシーンを記録していきたいと思います。
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