【生産国紹介】コロンビアのコーヒーについて

Farm

コーヒーの原産国紹介、今回はコロンビアのコーヒーの特徴について解説します。

世界トップクラスのウォッシュトコーヒーの産地でありながら、新しい生成処理方法に取り組んでいもいる、いわばコーヒー先進国です。

ざっくりまとめ

2020年の生産量は833,400トン(世界シェア3位)。

アラビカ種の良質な産地であり、よく見かけるものは下記のものでしょうか?
→ティピカ、ブルボン、カトゥーラカスティージョ

国土は南北に広がり、標高の差が大きいです。地域によって雨季と乾季が異なるため、年間を通してコーヒーを収穫することが可能(普通は時期が決まっている。例:エチオピアは11~2月)。

コロンビアにおけるコーヒーの生産は非常に大きな意味を持ちます。

農業分野の就労者の33%を占め、約300万人の人々が日々の収入をコーヒー産業から得ています。

日本の農林漁業に関わる職業の人が約200万人(2021年)であることを知れば、コロンビアでいかに多くの人がコーヒーに携わっているかわかりますね。

産地と味わいについて

生産地域は北部地方、中部地方、南部地方に分けられ、南部に向かうほど高い標高になります。
コーヒーの味わいは生育環境によっても影響を受けるため生産地方ごとに個性が生まれます。
(もちろん他に品種、生産処理などにもよりますが)

▼北部地方
(サンタンデール、ノルテ・デ・サンタンデールなど)

低めの標高と高めの気温の土地で栽培されます。コーヒーはより長く日光にあたるため、高低差で段階分けされた日陰で守ります。

味の特徴:マイルドな酸味と甘さ

▼中部地方
(アンティオキア、バジェ・デル・カウカなど)

雨季と乾季が散在して起こる気候により、年間を通じて新鮮なコーヒーを収穫可能!
第1 期のメイン収穫は9月から12 月に、第2期はミタカと呼ばれ4 月から6 月に行われます。

味の特徴:甘さがはっきりしている。フルーティ、ハーブ

▼南部地方
(カウカ、ナリーニョ、ウイラなど)

赤道に近いこの地域では、標高が高く、気温が低い土地で栽培されます。

味の特徴:酸味がはっきりしている。フローラル、柑橘っぽい?

品種について

コロンビアで栽培されてきたアラビカ種は気候変動や病気に対抗すべく、強い品種へと移行してきました。

ティピカ(最初にコロンビアにやってきた品種。収率が低い。)

ブルボン(ティピカより20~30%生産率が高い。豆のサイズが小さいのでコロンビアであまり栽培されない。)

マラゴジッペ(ブラジル原産のティピカ種の変異種。豆のサイズは大きいが生産性が低い。)

カトゥーラ(ブルボン種の変異種。生産量が多い。)

カスティージョ

カスティージョはFNCのコーヒー研究所Cenicafé(セニカフェ)の品種改良技術により開発されました。その病気(さび病)への強さ、豊富な生産量、カップのクオリティの高さから現在では多くの地域で栽培されています。

等級分けについて

コーヒーの生産者は、出来上がったコーヒーを地元の買い取り拠点へ運びます。
そこで欠点豆の混入割合をチェックされ、買い取り価格が決まります。

輸出用コーヒー豆は、このあとさらに細かく検査・分類されます。

・産地
・豆のサイズ(スクリーンサイズ)
・外部組織による各種の認証
・SCAスコア
・カッププロファイル

などさまざまな観点からコーヒーの評価を行なっています。

コロンビアでは均質なサイズ、ある程度大きい豆を使うと、焙煎が非常に良い結果になるという考えがあるそう。

つまり大きくて粒がそろっていることが重要ということですね。

豆のサイズ 16以上とピーベリーだけがスペシャルティコーヒーに分類され、高価なコーヒーとして取引されます。

通常のコーヒーは1つの実に2つの豆が入っているのですが、まれに1しか入ってものないものがありこれをピーベリーと呼ぶ

スクリーン14-15はUGQ、ヨーロッパと呼ばれ一般的に最も多く輸出されている等級の豆。

スクリーン13以下の小さな豆は、国内消費などに回されます。

ニューヒーローの登場

コロンビアのコーヒーで外すことができないのは有名農園の存在です。
新たな生成処理方法に取り組んでいたり、資本の大きなプロジェクトで運営されていたり様々。

▼El Paraiso(エル・パライソ)

「コロンビアのコーヒーと言えばウォッシュト!」という概念を破壊したことで有名です。
2018年のCOEで10位に入賞し、なんと10位なのに1位のロットより高い価格で落札されるという衝撃。

Double Anaerobic fermentation(ダブルアナエロビックファーメンテーション)、Thermal Shock(サーマルショック)など独自の生成処理を行っている革新的な農園。

強烈なフレーバーが特徴でイチゴジャム、ヨーグルトなどが感じられます。何となく香るのではなく、味がするレベル。もはやコーヒーなのかわからないですね。

▼Cerro Azul(セロアズール)

コロンビアのコーヒー生産会社の「カフェ グランジャ ラ エスペランサ(Café Granja La Esperanza)」が経営しており、様々な加工方法や品種の栽培を試す意欲的な農園。バリスタの世界大会であるWBC(Wolrd Barista Championship)でもこちらのゲイシャ種が使用された経歴があります。

他にも紹介できなかった農園がまだまだあるのがすごいです。
次はどんなコーヒーを届けてくれるのか期待しかありません。

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